名札・ネームプレートに記載されるフォント(書体)のお話しvol.3
名札・ネームプレートに使用するフォント(文字体)のご紹介。今回は、ディスプレイ書体と筆書体についてご説明します。
それぞれのフォントの特徴
名札・ネームプレートの印象を大きく左右するフォント。前回は明朝体、ゴシック体、丸ゴシック体の特徴をみてきました。今回は残る2つ、ディスプレイ書体、筆書体の特徴からスタートです。
ディスプレイ書体
装飾的なデザインがされた書体。商業目的のディスプレイ用に作られた書体です。デザイン性が高くインパクトが強い反面、読みやすさには欠けるため長文での使用には適さず、本文用としては殆ど使われることがありません。ディスプレイ書体に決まりはなく、明朝体やゴシック体から派生したものや、手書きのニュアンスを持つものまでさまざまです。19世紀の産業革命以降に登場しました。
筆書体
筆で書いたように表現された書体。篆書、隷書、行書、草書、楷書など古く中国で生まれた書体をはじめ、江戸時代に日本で生まれた勘亭流、寄席文字、髭文字などの伝統的な筆文字、明治初期から使われるようになった教科書体など多種の書体があります。手書風のフォントは和風であり、使われ方としては限定されるようです。年賀状で使用されるほか、居酒屋の看板や和菓子の包装など、和風のテイストが生きる場面で活用されています。
名札のフォント、どれが良い?
それぞれ違った特徴を持つフォント。うまく使い分けることで、見ている人に持ってもらいたいイメージをそのままに伝えることができます。名札は文字が大部分を占めるため、フォント選びはとても重要。名札のイメージに大きく影響します。
それでは名札に使用するフォント、どのように選べば良いでしょうか?
まず一般的にオススメなのは、ゴシック体です。ゴシック体は目で見たときに確認がしやすく、文字が分かりやすいからです(これを視認性が高いといいます)。ぱっと見た時に、名前が伝わりやすいのが長所です。
また、明朝体も読みやすい書体であり、毛筆の特徴を残すフォントはきちんとした印象を与えるので、こちらも広く名札の使用に向くのではないでしょうか。